病院のイラストとノルバスク5mg

ノルバスクと果物の摂取、多胞腎臓由来の高血圧治療

高血圧症治療薬として最も多く使用されているものの1つとしてノルバスク(アムロジピンベシル酸塩)が挙げられます。ノルバスクはファイザー社から発売された先発医薬品で、日本では他にも大日本住友製薬から発売されたアムロジンも先発医薬品です。日本では特許が切れているため、アムロジピンという成分名を商品名にしたジェネリック医薬品が多数発売されています。ここではノルバスクの果物との併用と多胞腎臓の合併症で起こる高血圧への適応について説明します。
まずノルバスクと果物との併用に関してですが、1つだけ一緒に摂取してはいけないものがあります。それはグレープフルーツです。グレープフルーツの成分の中にはノルバスクの主成分アムロジピンの体内動態に影響を与えるものがあります。その成分はまずP糖タンパクの発現量を増加させます。P糖タンパクは主に消化管において発現していますが、血液脳関門、腎臓などにも存在します。消化管においては一度消化管に吸収された薬物をもう一度消化管の方へ追い出す役割があります。これによってアムロジピンの血中濃度は減少し効果が弱くなるのです。またCYP3A4の発現量も増加させます。これは肝臓に存在するアムロジピンの代謝酵素で、これが多くなるとアムロジピンの体内からの消失速度が速くなり、効果が弱まります。よってグレープフルーツと併用すると効果が弱くなるのです。しかし、オレンジなど他の果物は問題ありません。
また多胞腎臓に関してですが、多胞腎臓は腎臓組織内に水がたまり、腎機能が低下していく疾患です。バソプレシンなどのホルモン異常が原因ともいわれています。これの合併症で高血圧が起こることがありその治療にはノルバスクも使用されます。しかし基本的に第一選択薬はARB(アンギオテンシン受容体拮抗薬)です。